特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2014年 2月 「営業力強化の視点」

●2014年 2月 「営業力強化の視点」

中小企業診断士 木村 信彦

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景気の先行きの不透明感は払拭できず、消費者の財布の紐は依然として固いようです。一方で、成熟化社会が進行しモノがあふれる中でも、自分にとって本当に必要なもの、価値あるものに対する投資は惜しまない傾向も見られます。
 
このような社会情勢環境の中では、自社の商品やサービスをお客様に正しく理解していただき、納得して購入いただくための真の営業力が問われています。
 
今回は、この真の営業力強化に必要な視点を以下の3つにまとめて整理します。

1.量と質について

営業力強化を考える際に必ず話題になるテーマが、営業の量と質とのバランスについてではないでしょうか?

昨今、企業の営業担当者の中には、「営業は量より質で勝負する時代になりました」と自信をもって語る方が多く見られます。また、「昔は、新人営業スタッフには、お客様の名刺を出来るだけ沢山回収する研修を実施していましたが、そんなやり方は古いですね」と言われる方もいらっしゃいます。

このような考え方の方に、私はいつもお尋ねしています。「あなたが言う、営業の質とはなんのことですか?」この質問に対して、多くの方は、「お客様のニーズを探り出して・・・・」と曖昧な答えしか返ってきません。

一方、 営業の量とは、簡単明瞭です。活動量です。具体的には、訪問件数や電話回数など回数で表せるものです。営業の世界では数にこだわることが重要だと考えます。
そして、営業の質を高めるとは、成約率、受注率。リピータ率などの数をたかめることを意味しています。
 
私は、量を増やすことで質が高まると考えます、新入社員に出来るだけ多くの名刺を回収させることは意味のあることなのです。つまり、数を重ねることで(量を増やすことで)経験や知識が自然と体や五感に身に付くものなのです。まずは、営業の量を増やすことです。
量が増えれば、質が底上げされていくものです。結果として営業力は高まります。
 
2.話す力と聴く力

販売する商品やサービスの仕様や内容が高度化、複雑化しています。多くの営業スタッフは、この自社の商品やサービスを分かりやすく、間違いなく説明することに悪戦苦闘しているのではないでしょうか。そして、一生懸命に机上で商品知識を勉強しているのではないでしょうか。

お客様は、本当に当該商品やサービスの仕様や内容を最初から聞きたいと思っているのでしょうか。答えは、おそらく「NO」です。お客様が望んでいる事は、自分にとってその商品やサービスが有益であるかどうかです。

ここで重要なことは、営業担当者が、お客様のことをどれだけ知っているかです。お客様の事を知らずして、お客様にとってのメリットを説明することなど出来るはずがないのです。ところが、実際の商談では、自分が机上で勉強した商品やサービスの機能や特徴を羅列するだけの場面によくお目にかかります。

優秀な営業スタッフになるためには、饒舌であることは必須の条件ではありません。それよりもお客様の話が良く聴ける「傾聴の態度や姿勢」がどれだけとれるかがポイントです。人は、自分の話を聴いてくれる人には、心を開いてくれるものです。

3.デジタルとアナログ

定義としては、次のように説明されています。
「デジタル」=離散したもの、数値化(量子化)されたもの
「アナログ」=連続したもの、数値化(量子化)されていないもの

また、 一般的にはこのような意味でも使われます
「デジタル」=自動
「アナログ」=手動

さらに、俗語ではこんな意味もあります。
「デジタル」=先進的・ハイテク
「アナログ」=時代おくれ・ローテク

営業の世界もどんどんIT化されています。パソコンなどを使いこなすことは、営業活動を進める上では不可欠な事になっています。もちろん早くて、便利で、間違いがないパソコンを充分に活用していくこと非常に重要なことです。

しかし、営業の原点であるお客様との接点。つまり訪問活動は、未来永劫アナログであるべきでしょう。つまり、本来は訪問すべきであるのに電話やメールで要件を済ますことは出来ません。

優秀な営業スタッフとそうでない営業スタッフの最も大きな違いは、お客様への訪問時間の違いです。売れる営業スタッフは、その多くの時間をコア業務である顧客訪問にあてています。そして、訪問時間を最大化するために提案書の作成や見積書の作成など営業活動に付随する業務は徹n底的にテジタル化しています。

営業の原点は、お客様との接点をどれだけたくさん持つことが出来るかです。そして、どれだけお客様のことを知っているかが勝負です。

アナログには、デジタル化によって失われた人間の温かみや味わいがあるのかもしれません。

中小企業診断士 木村 信彦

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