特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2013年11月「“おもてなし”と“おもてなし”経営について」

●2013年11月「“おもてなし”と“おもてなし”経営について」

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2013年 11月 「“おもてなし”と“おもてなし”経営について」

中小企業診断士:渡邉 勲
e-mail:watanabe-bsl@nifty.com

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東京オリンピックの招致が決まりましたが、IOC総会でのプレゼンテーションで滝川クリステルさんが“おもてなし”という言葉が使われ2020年に向けて“おもてなし”の機運が高まってきました。

ところが一流ホテルレストランでの食材偽称が明るみになり、あれよあれよという間に有名飲食店、一流百貨店でも次々と同じような問題が続出しています。どうしたことなのでしょう。シェフの業界での常識は世の中の非常識ということなのでしょうか。

また、一方では経済産業省が昨年あたりから「おもてなし経営」を中小企業のビジネスモデルの一つとして推奨しています。

そこで今回は、“おもてなし”と「おもてなし」を取り上げてみました。

1.“おもてなし”について

まず“おもてなし”についてです。

”おもてなし”の意味を正しく理解しましょう。
“おもてなし”のもてなすとは何か、何でもてなすのか、辞書による意味と語源は以下の通りです。

(意味)
@客に対する扱い、待遇 A客に出す御馳走、接待 B人や物事に対する振る舞い方、態度 C物事に対する扱い。とりはからい、処置
(語源)
ものを持って成し遂げること
もう少し調べてみました。

2.お客様を”おもてなす”にはモノとコトが必要

@モノとは
 取り扱い商品そのものと店舗の外装や内装、ムードづくり、商品の陳列と
 いったお店の環境です。

Aコトとは
 それらを取り巻く二次商品、つまり接客力です。
 接客力は、礼儀正しいマナーとお客様とのふれあい、上手なコミュニケーシ
 ョンのことです。

そして、以下のようなことが言われています。
・モノサービスの不満はコトサービスで解消できるが、コトサービスの不満はモ
 ノサービスでは解消できない。
・モノはお金をかければ改善できるが、コトの部分は日々の勉強と感性の積
 み重ねでしか培われない。

3.”おもてなし”には、目に見える部分と目に見えない部分がある
  (茶道を例にして説明)

@目に見える部分のおもてなし
お客様をお迎えするときは、打ち水をして清め茶室の床の間にはお客様の好みや季節に合わせた掛け軸とお花を生けるなどです。

A目に見える部分のおもてなし
「どうしたらお客様に喜んでいただけるだろうか」と考えて、相手に対し心を尽くす気持ちです。

目に見えない部分があって初めて、目に見える形へと反映するのです。
目に見えない部分をどうするかでおもてなしの幅と厚みに違いが出るのでう。
”おもてなし”する側の表現力が必要であり重要なのです

4.“おもてなし”のついての理解を深めること

最近ではお客様は、セルフサービス型のお店になじまれていますから、対面販売型の市場的な感覚で接すると嫌がられるということもありますが、お客様がどちらの対応を求めておられるのか、どちらの対応を喜んでくださるのか、その咄嗟の判断に迫られますが、これは日々お店でお客様と接している現場の方の経験と感性・勘によるしかないのです。

こうしたことについては、「プロが選ぶ日本のホテル・旅館100選」で、33年連続1位に選ばれている加賀屋の女将・小田真弓さんがある記事の中で以下のように述べていますので、参考にして理解を深めてください。

「(中略)マニュアルを完璧に実行できても、接客としては60点止まりです。
マニュアルはすべてのお客様に共通する接客の基本を記したもの。お客さまごとに、また場面によって、私たちがして差し上げるサービスの中身は違うのです。(略)」

客室係には、「気働きをしなさい」と教育しているとのことです。気働きとは「自分の気を働かせる=自分で何ができるか意識し細部への目配りを欠かさない」ということです。「マニュアルがあり、実行できているから良いだろう」ではダメなのです。

こうした“おもてなし”の態度や心構えについては、「江戸しぐさ」や「無財の七施」などが体現参考になります。ここで取り上げるとわかりやすいのですが、長くなるので、次回に取り上げます。

5.”おもてなし”の接客をするためのヒント(必要事項)

以下の事項を採り入れるようにしましょう。

@お客様が見やすいように商品の前出しをきちんとする、売れ残りのように
 誤解されないため商品のフェイス(面)をきちんと揃える、商品の新鮮さをア
 ピールすると同時にお客様を気持ちの良い環境でお迎えするために整理・
 整頓・清潔・清掃という4Sを徹底する。(従業員教育)

A復唱や確認など当たり前のことを当たり前に全員で徹底する(凡事徹
 底)。

B顧客満足は当たり前、そして顧客感激から感動の時代。お客様の事前
 期待を上回る感動(さりげなさ)を与える。

C何かに特化したり他店にないこだわりを持つ。

D苦情に的確に対応する(お客様とのふれあい、コミュニケーション)。

Eお客様との出会いは1回限りという一期一会の精神に徹する(1回1回真
 剣勝負)。

F買い場の発想をする(入りやすさだけでなく出やすさ)。

G繁盛店を自分の目で視て自店のコンセプトに合うかを考え模索し工夫し
 ながら真似て実行しそこから独自のものを創り上げる。

H出会いを大切にして「私とあなた」の関係を築く。

7.「おもてなし経営」について

経済産業省では、地域のサービス事業者が目指すビジネスモデルの一つとして以下のような取り組もをしている企業の経営を「おもてなし経営」として推奨しています。

@社員の意欲と能力を最大限に引き出し、
A地域・社会との関わりを大切にしながら、
B顧客に対して高付加価値・差別化サービスを提供する経営

地域・顧客との関係を徹底的に強化することで、価格競争に陥ることなく、顧客のニーズに合致したサービスを継続的に提供し、「顧客」のみならず「社員」、「地域・社会」から愛される経営の実現です。
全国各地からこうした企業の例を発掘して(集めて)紹介しています。

詳しくは、下記から子覧下さい。
http://omotenashi-keiei.go.jp/kigyousen/

2020年に向けて、「“おもてなし”経営」を目指しましょう。

中小企業診断士:渡邉 勲
e-mail:watanabe-bsl@nifty.com

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