特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2013年9月「経営に活かす“20マイル行進”」

●2013年9月「経営に活かす“20マイル行進”」

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2013年 9月 「経営に活かす“20マイル行進”」
中小企業診断士:大矢たかしメールはassert89@r4.dion.ne.jpまで願います。


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世界的な経営書である「ビジョナリーカンパニーC」では、繁栄を続ける企業の特徴を分析し、経営者に多くのヒントを与えています。

その中で紹介されている “20マイル行進”は二つの南極探検隊についてその戦略や行動の違いを明確にしながら、困難に打ち勝って、成功を勝ち取るための方法論を示しています。

今回は、二つの探検隊の戦略を比較しながら“20マイル行進”について理解を深めていただき、さらに自社の経営に役立てていただく手法をご紹介したいと思います。

1.明暗を分けた二つの南極探検隊

1911年10月、二つの南極探検隊が南極点到達に向けてほぼ同じ時期に探検を開始しました。それぞれの探検隊の隊長であるアムンゼン(39歳)とスコット(43歳)は年齢が近く、探検の経験もほぼ同じでしたが、アムンゼン隊が南極点到達後、安全に祖国に帰国したのに対して、スコット隊は南極点到達の帰路、5人全員が凍死しています。両隊の天候は全く同じ条件下にあったのに、なぜこのような差が生じたのでしょうか。

2.行動の違いが結果の差を生む  

アムンゼンは予期せぬ事態に備えて、用意周到に予防線を張り巡らせていました。

南極探検の始まる前から移動には自転車を使って体力増進を図り、探検中も十二分な食糧などの補給品を用意しました。しかも自分の隊が進むルートに沿って、補給所の両側にそれぞれ二十本の黒い三角旗(黒色は白い雪の上で見分けやすい)を何マイルにもわたって等間隔に立てました。

一方、スコットは事前の体力作りは行っておらず、探検中も必要最低限の補給品しか積まず、主要補給所に一本の旗を立てただけであり、一切のミスが許されず、補給所を一つ見逃すだけで大参事は必至の状況でした。

このように二人の隊長の考え方や行動は対照的ですが、その差が最も如実に表れたのは、一日の行進距離でした。

アムンゼン隊は天候の良否に係らず一日20マイルを堅持していましたが、スコット隊は天候に応じて一日の行進距離が大きく違っていました。
           
3.“20マイル行進”の効果は絶大

毎日着実に20マイルを行進するためには明確な工程表の用意は当然ですが、二つの苦痛への対処も必要となります。
一つは厳しい状況下でも成果を出さなければならないという苦痛、もう一つは快適な状況下でも自制しなければならないという苦痛です。

天候に恵まれた時に50マイルも60マイルも行進すれば体力を消耗し、天候が悪化したときには身動きが取れなくなってしまいますが、“20マイル行進”を堅持していれば体力を温存しながら行進を続けることができます。
毎日決まった距離を行進したアムンゼン隊はスコット隊よりも一カ月以上も早く南極点に到達しています。

4.経営における“20マイル行進”

企業経営においても“20マイル行進”には多くの学ぶべき点があります。

好景気であってもいたずらに成長を追い求めず、環境悪化を前提に常に準備し、無防備な状態で逆風の直撃を受けないように用心に用心を重ねる。その結果が企業の繁栄につながるとものと考えられます。

中小企業診断士:大矢たかしメールはassert89@r4.dion.ne.jpまで願います。



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