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2013年1月 「目標を達成するにはー4つのポイント―」
中小企業診断士:鳥海 孝
メールは
tori@rs.tepm.jp
まで願います。
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新年を迎え、今年は何をやるか、やりたいか、本年の目標を立て、既に動き出している方が多いのではないかと思います。企業の場合は経営目標を立て、その目標達成に向け動き出しているということになります。しかしながら、年末・年度末になり、目標未達ということをよくみかけます。
本稿では目標を立て、それを達成する4つ視点(ポイント)について考えてみます。
巷間よく聞く話ですが、目標づくりに大きなエネルギーを割き、目標ができあがると達成感を覚え、そのことで一区切りしてしまうということです。いざ実行という段階になると、ほとんどのエネルギーを使い終わっているので、実行にはもう一歩の馬力が出ない。このようなケースをよく見かけます。
また、実行の段階で、目標作成時の新たな気持ちややり方の工夫を忘れ、今までどおりのペースに戻ってしまい、目標未達となり、その結果を年末・年度末に反省・後悔する、この繰り返しが実は多いのではないでしょうか。
このような話を聞き、実際に中小企業の皆様をご支援している立場・経験から、目標が達成できない理由と達成するための視点(ポイント)を考えてみたいと思います。
●その一つは、当初から大いに背伸びした目標であったことです。
目標作成時は誰もが前向きな気持ちになるものです。そのために過大な売上、実現からかけ離れたコスト削減目標を設定しがちであります。まずはどのような目標を設定するか、客観的な観点から見た「適切な目標設定」が必要です。高からず、また低からず、努力すれば十分に手が届く目標が望ましいと思います。そのためにも中小企業診断士を活用したいものです。
●二つ目には、目標はできたとして、社内の一部の人(たとえば経営層)にしかその「必要性や意味」が留まり、実際に行動する現場や担当に落ちていない、
つまり基本的なことが共有されていないということがあります。経営者からすると説明した、指示したということですが、その下は聞いただけ(聞いてあげただけ)ということです。このような「話したつもり・理解させたつもり」、「聞いたつもり」はぜひ避けたいものです。
ではどうしたらよいか。しかしながらウルトラCのような対策は残念ながらありません。折に触れ、何回も何回も、耳にたこができるくらい粘り強くその必要性を説くことです。社長があそこまで言うのならばやってみようというくらい説明を繰り返すことにつきます。
●三つ目は「コミュニケーッション」です。
実行段階において最も大切なものはこのコミュニケーションです。実行段階においては、当初の環境や条件は変化します。その際に、変化に対応し、現場や従業員を巻き込み、皆で一丸となってそのことにあたる、それには十分な意思疎通が必要です。
まさにコミュニケーションの真価が問われることになります。「言った・指示した」、「言われた・聞いた」だけの言葉のやりとりに留まっていないか、その必要性を十分に分かち合うほど密な状態になっているかということです。
●最後は「こだわり」、絶対達成するぞという強い気持ちを持つことです。
これは最近お付き合いさせていただいている企業からも分かったことです。
社名はA社としておきましょう。A社は従業員20名規模の機械部品メーカーです。リーマン・ショック前後から赤字が続き、その結果ついに債務超過に陥り厳しい業況が続いていました。そのような中で、ご支援を開始させていただきました。まず行ったことは、ややきつめの経営改善目標を作りました。製造原価の圧縮、役員報酬を中心にした人件費のカット、一般経費の10%削減など、経営者のご理解を得て案を作り、実行段階に入りました。
ここで経営者の方に、「絶対に達成する!」という強い気持ち(こだわり)を1年間持ち続けること、また達成する気持ちを現場や従業員と分かち合うことをお願いしました。
経営者のひたむきなご努力の結果、1年後の決算では見事黒字回復、また次の年も同様のことをお願いしました。
おかげさまで2年連続の黒字計上を果たした次第です。その改善の効果もあり、今まで遠ざかっていた金融機関が最近はよく来社するようになったとのことです。
今後も厳しい経営環境は続きます。「適切な目標設定」、「必要性・意味の共有化」、「コミュニケーション」、そして「こだわり」、これらによってぜひ立てた目標を達成し、美酒に酔っていただきたいと思います。
■―――――――――――――――――-―― NPOみなと経営支援協会−201301―■
中小企業診断士:鳥海 孝
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