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2013年 1月 「商店街の活性化について」〜飯能市の事例〜
中小企業診断士:近藤 徹
メールは t-kondo0812@rc5.so-net.ne.jp
まで願います。
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商店街の活性化という言葉はよく聞く言葉と思います。
そもそも商店街の活性化という言葉の定義とは何なのでしょうか?
来街者が増えることでしょうか?
それぞれの個店が儲かることでしょうか?
これには様々な答えがあるでしょう。
愛知県岡崎市の商店主であり、岡崎まちゼミの会の代表を務める松井洋一郎さんは、商店街の活性化の定義を、「個店が次代に承継するだけの経済力を持つこと、お客様が幸せになること」としています。
ちなみに、まちゼミとは商店主が講師となってお店のノウハウを地域住民に無料で提供する活性化の試みであり、岡崎を発祥の地に全国に広がっています。
商店街の活性化に取り組むために必要なものは何でしょうか?
一つ目は取りまとめ役となるリーダーです。
二つ目は行政などを巻き込んだ地域との連携です。
三つ目が将来に渡って街で生きて行く若い人たちの参加です。
飯能市は埼玉県の南西にある人口約8万3千人の市です。
西武池袋線の飯能駅周辺が中心市街地であり、駅の周辺には3つの商店会があります。近年、それぞれの商店街で空き店舗が目立つようになり、空き店舗対策、空き店舗活用が課題となっています。その飯能の街で昨年の秋から新たな取り組みが始まりました。
飯能まちなかを元気にする会というのが事業主体です。
営業50年のお蕎麦屋さんの若いご主人、矢代和久さんがリーダーです。
物販店や飲食店の経営者、ボランティアで観光案内をされているシニアの方々、大学院生などの他、地元の信金、商工会議所、市役所もメンバーです。ダンス教室を主宰する女性の先生もいます。老若男女の構成です。
月に一度、20人ほどのメンバーで会合を持ちました。
矢代さんは司会であり、ファシリテーターです。やわらかなお人柄そのままに笑顔で語りかけます。「そうは言うけど佐藤さんはどう思うかなあ?」といった調子です。会合もそうですが、商店街はもともと個店と個店のゆるやかな結びつきですから、やわらかさが大切です。
何度かの会合を重ねて方向性が見えてきました。
空き店舗活用でダンス教室を行おうというものです。ダンスは意外でしょうか?
ヒップホップの流行以来、中学校の授業にもダンスは取り入れられています。メンバーの重永さんは飯能の公民館でダンスを教えています。
どうでしょうか?商店街の空き店舗でダンス教室だなんて楽しいと思いませんか?
もちろん、全国で初めての新たな取り組みです。
ダンス教室は4月にスタートする予定です。若いメンバーはとても乗り気で、シニアがそれを支えています。
地権者との交渉や公的な補助・助成については、金融機関、商工会議所、市役所などの商店街の外部のメンバーが頼りになります。
飯能の商店街の空き店舗の活用では、他に日替わりシェフレストランも昨年から開業しています。場所はリーダーの矢代さんのお蕎麦屋さんのお向かいです。矢代さんは競合などとは言いません。商店街に人がやって来るきっかけになればと、おおらかに笑っています。
中小企業診断士:近藤 徹
メールは t-kondo0812@rc5.so-net.ne.jp
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