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2012年11月 「今更ながらネット販売について」
中小企業診断士 飯野純夫
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sumio221@apricot.ocn.ne.jp
まで願います。
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最近、宮城県の中小企業さんとのお付き合いが増えています。その中で、食品製造業をはじめとして、今更ながらネット販売の必要性を強く感じています。
1.インターネットショッピング世代別利用状況
インターネットショッピングの利用状況を総務省統計で見てみますと以下のようになっています。
利用率が少ないと思われている60歳以上の年代でも、4割近くの人がインターネットショッピングを利用していることがわかります。実は、この年代は、新入社員の頃(1970年代)にホストコンピュータが急速に普及し、働き盛りの頃(1990年前後)には職場で一人一台のパソコンを与えられた世代です。
従って、中小企業がネット販売を導入するにあたり、巷で言われているITリテラシーの心配は全くありません。
2.世代別金融資産保有状況
次に、世代別金融資産状況を見てみると以下のような日銀の資料があります。
これによりますと、世間で言われているように高齢者になるほど金融資産を保有しています。さらに、60歳代は、年金を60歳から受け取ることが出来る最後の年代であり、大袈裟かもしれませんが、お金と時間をたっぷり持っている世代です。
以上のことから、中高年にとって、インターネットショッピングの利用はまだまだ伸びる可能性があり、この年代をターゲットにしたネット販売は効果がありそうです。
3.上代価格と下代価格について
次に、中小企業特に卸売業者がネット販売を行うことの最大の意義は、上代価格と下代価格の開きがあります。
上代価格とは小売価格であり下代価格は卸売価格のことですが、下代価格が上代価格の6割以下ということも珍しくありません。さらに、製造業者の場合は、上代価格>下代価格>工場出荷価格になり、粗利がマイナスになっている企業も結構あります。
また、デパートや催事で食品を販売する場合は、品切れが許されず、閉店近くで売れ残るとわかっていても商品を補充する必要があり、これが廃棄ロスにつながります。
以上の上代価格と下代価格の価格差、上代価格と工場出荷価格の価格差および廃棄ロスの削減が、ネット販売上の利益の増加になります。
4.ネット販売で必要なこと
ネット販売で準備すべきことは、当たり前のことですが、@ストーリーを持たせたWebサイトの作成、AWebサイトへの誘導、Bネット販売用の定期的な商品開発、Cお客様情報の管理と活用などがあげられます。
特に、Webサイトを作成しただけでは誰も見てくれません。商品のパッケージへのURLの記載やSEO対策およびフェイスブックページなどを利用した告知などにより、消費者を自社のWebサイトに導入する工夫が必要であり、この工夫を行っていない企業が結構あります。
また、お客様情報(特にメールアドレス)の収集・管理を行い、ストーリー性のある季節ごとの新商品を同報メールでお客様に知らせることも大切です。
さらには、ポイント制度の導入や配送料の企業負担などにより、消費者メリットを与えることも大切です。
5.最後に
以上、ネット販売の必要性について説明してきましたが、業種にもよりますが、最終消費者が個人である商品を取り扱っている大手企業では、既にほとんどの企業が実施していることです。
そのような状況で、強力な販路を持たない中小企業が生き残っていくためには、ネット販売を避けることはできません。
早急に、Webサイトの作成や既存Webサイトの見直しが必要です。また、顧客情報の蓄積には時間がかかるため、地道な活動が必要になります。
中小企業診断士:飯野純夫
sumio221@apricot.ocn.ne.jp
中小企業診断士 飯野純夫
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sumio221@apricot.ocn.ne.jp
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