特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2012年3月資金調達の幅を広げる『リースの活用』

●2012年3月資金調達の幅を広げる『リースの活用』

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2012年3月 資金調達の幅を広げる『リースの活用』
中小企業診断士 三川 武司

メールはrbncr521@uahoo.co.jpまで願います。


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企業の成長には安定した長期の資金調達は欠かせない要素ですが、中小企業にとっては、金融機関から長期の借入金を調達することは保証協会の保証限度額や担保の提供などの条件面で制約もあり簡単なことではありません。
そこで『リース』を上手く活用すれば、長期の資金調達金額が増加しますので、スピーデイな設備投資が出来て成長の速度を速めることが可能になります。
長期資金の調達にリースの活用を検討しては如何でしょうか?
  この事例でご説明している『リース』は『ファイナンス・リース契約』を指しています

■『リースの活用事例』

 @製造設備をリースで調達した事例
A社はプリンター部品の製造をしています。この度、納入先のB社が新開発の技術を使った  高性能のプリンターを発売したところ、売上が好調で大幅に増産することになりました。
新製品にはA社の部品が使われており、B社からの部品の受注数量が今後2倍程度に急増する見込み、しかもB社からは3年間は継続するので増産体制を要請されました。
A社にとっては急な状況の変化で、既存の機械設備で増産に対応するには不可能なため、製造設備を1ライン増設することにしました。
A社長は製造設備の調達資金を取引銀行に相談したところ、融資金額に見合う不動産担保の提供を求められました。
社長は今回の製造設備で銀行に担保提供すればいざと言う時に調達する余力がなくなるので、設定するつもりはなく、担保の不要な調達は出来ないかを銀行に改めて相談したところ、銀行の担当者からリースを活用したらとの提案を受け、併せて銀行の親密なリース会社の紹介を受けました。
そこで、銀行の紹介でリース会社に来てもらい増産計画の概要・財務資料等を提供し詳細に亘り説明したところ、リース会社は審査の上、対応が可能との回答をしてきたので、リースによる設備導入を決めました。
リース期間は設備の償却期間の70%の期間の6年にして、毎期の費用の平準化と早期の費用化を図りました。
B社長はリースによってタイムリーな増産設備の導入が実現出来たこと、実質的に長期資金の調達枠が広がったこと及び不動産担保提供をせずに済んだので、いざという時の調達余力が残せたこと、費用の均等化・早期化が図れたことを大きなメリットに感じています。

  BA長男に別業態で新規出店をする際にリースを活用した事例
Dさんは妻と長男夫妻と商店街で大衆食堂を経営していますが、この度、同じ商店街の中
に空き店舗が出たので、長男夫妻に飲食店をやらせたいと考えました。そこで日頃から
親しい信用金庫の担当者に飲食店開業にともなう資金調達の相談を持ちかけました。
  Dさんは運転資金と店舖の保証金分については自己資金で、その他の厨房設備・店舖内什器備品は借入で調達したい意向であることを担当者に伝えました。信用金庫では融資を検討するとの回答でした。
一方、厨房設備の販売会社E社の営業担当者には設備代金の支払いについて信用金庫から
長期の借入金を充てることを話したところ、E社の営業担当者からはE社の提携している
リース会社のリース契約による方法を勧められました。
そこで 信用金庫の担当者にE販売会社から提携リース会社を進められていることを話したところ信用金庫にも親密なリース会社があるので、そのリース会社を紹介されました。
そこで、販売会社E社と信用金庫の紹介してくれたリース会社2社からリース料の見積書を  提出してもらいました。
その結果 2社の見積書を比較してリース料の安かった販売会社E社の提携リース 会社とリース契約を行い、厨房機器・店舗内什器・備品はリースで調達をしました。
Dさんは信用金庫の借入枠がそのままに温存できたこと、リース会社2社による相見積リでリース料も安く済んだので、良い調達が出来たと実感しています。

■どのようにしたら「リース」を上手く活用できるか

 中小企業ではリースと言えばパソコンやプリンターなどの情報機器、FAXやコピー機の
リース利用に留まっているケースが大部分を占めています。
今回ご紹介した事例は取引の金融機関や機械の販売会社からの紹介により情報機器や事務機器以外のリース契約が実現したものです。金融機関では系統のリース会社があるケースが多いのですが、営業現場では業績向上につながらないリースを積極的にはお客さまに勧めません。
そのためには次のようなことを知って頂くと上手くリースが活用できます。

■リース活用のポイント

@リース対象物件を知りましょう

リース対象物件
  汎用性のある新品の動産が対象となります。機器の分野別の具体的な物件は下記の通りです。
  ○情報機器・・・   コンピュータ・パソコン・プリンター・通信機器など
  ○事務用機器・・・  コピー機・ファクシミリ・シュレッダーなど
  ○産業機器・・・   産業用ロボット・食品加工機械・成形機・印刷機器など
  ○工作機械・・・   旋盤・研削盤・溶接機・マシニングセンターなど
  ○土木建設機械・・・トラクター・油圧ショベル・クレーン・高所作業車など
  ○輸送用機器・・・ 自動車・鉄道車両・船舶・航空機・フォークリフト・コンテナーなど
  ○サービス業機器・・スポーツ娯楽施設設備・ガソリンスタンド設備・駐車設備・自動販売機など
  ○店舖設備・・・   店舗用什器・備品・冷凍庫・冷蔵庫・調理機器・厨房機器など
  ○医療機器・・・   診断用機器・手術用機器・画像診断機器・歯科用機械など
Aリース会社の特徴などを知りましょう。
リース会社は金融機関の関連会社が多い、又情報機器・事務機器のみならず各種機械設備のメーカーや販売会社と提携しているケースが多いので、取引先金融機関や販売会社から紹介してもらう事が良いです。

リース会社の特徴
 @金融機関系
   ☆大手銀行系では三菱UFJリース・三井住友ファイナンス&リース・芙蓉総合リース・
東京センチュリーリース・興銀リースなど
  ☆地方銀行では個別の銀行ごとに系統のリース会社があるケースが多い
☆信用金庫でも信用金庫業界で設立したしんきんースがあるほか個別の信用金庫でも
系統のリース会社がある
 A独立系ではオリックス
 B電機メーカー系では 日立キャピタル・リコーリース・富士通リース・三菱電機リース・
シャープファイナンスなどがある。
Cその他大手企業の関連会社・・・  鹿島リース・NTTリースなど
D各種機器販売会社は系統のリース会社がない場合が多いが、大手のリース会社と提携して、お客様のリースニーズに対応しているケースが多い。
  例:ホシザキ電機・・・厨房設備等のリースを大手リース会社との提携により
取扱っている。
E公的機関によるリース
  東京都産業振興公社(道府県の産業振興センターなど)
    中小企業設備リース事業があり、中小企業向けのリースニーズに対応している

    概要については東京都産業振興公社のホームページをご参照ください
 

メールはlease@tokyo-kosha.or.jpまで願います。


「中小企業診断士 三川 武司

メールはrbncr521@uahoo.co.jpまで願います。

   
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