特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2012年1月「整理・整頓」が会社を変える!」

●2012年1月「整理・整頓」が会社を変える!」

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2012年1月「整理・整頓」が会社を変える!」

中小企業診断士 中川 憲一郎

メールはkenichiro@c-nakagawa.comまで願います。


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「整理整頓」の本が売れています。
書店には整理整頓や片付けのハウツー本を集めたコーナーが設けられ、100万部を超えるベストセラーの本もあります。キッチンや押入れ収納の達人はカリスマ主婦と呼ばれ、テレビや主婦向けの雑誌に登場しています。

企業における整理整頓の事例もテレビや雑誌で数多く紹介され、仕事の効率化や社員のモチベーションアップ、顧客評価の向上による新規顧客の獲得や売上拡大などの成果が報じられています。

●ナゼ「整理整頓」が注目されるのか?

ほとんどの人は、整理整頓は当たり前と思っているのではないでしょうか。しかし、中々できない、やっても続かない人、企業が多いようです。

今の時代は、モノが溢れています。情報も溢れています。これらの大量のモノと情報を処理、処分する仕掛けとして、整理整頓の必要性が高まってきているのでしょう。

日本の製造業の特長のひとつに5S活動があります。
5Sとは整理・整頓・清掃・清潔・しつけのことで、生産活動、企業活動を行うための基礎、基盤とされ、これを継続してレベルアップしていく活動です。

この5S活動が日本の製造業の強さの源泉とも言われており、今まであまり取り組んでこなかったサービス業や飲食業、IT関連はもとより、海外の企業にも広がりつつあります。

ちなみに海外では5Sを現地に適応させ、Sort(不要なものを取り除く)、Store(必要なものは見える化する)、Shine(輝きを保て)、Standardize(職場を清潔に整頓する習慣づけ)、Self-Discipline(正しい手順を順守する)としている例もあります。

●整理整頓で業績が向上する仕組み

改善活動では「1歩1秒1円」というキーワードを使います。モノを取りに行く場合、1歩足を踏み出すと、1秒掛かり、このコストが1円という意味です。

A社は社歴が長く全国に数多くの顧客を持っています。
事務所は雑然としており、机の上には書類が山のように置かれ、顧客情報のファイルも各担当者の机の上や足元、共用のキャビネット、さらには事務所から溢れたファイルは倉庫にまで散在していました。

このため、注文や問合せを受ける際に、顧客情報のファイルが直ぐに見つからず、お客さまをお待たせしたり、折り返し連絡をするケースがよくありました。

この状態を改善するために「誰でも30秒で探せるファイリング」を目標に掲げ、一定期間注文のない顧客ファイルは廃棄処分または倉庫に保存、それ以外の必要なファイルは受注頻度や売上高で分類し、歩かずに取り出せる机の引出し、または共用キャビネットに保管しました。

この際、誰でも直ぐに探せるように検索台帳を作成し、ファイルの背表紙には顧客名と保管場所を表示し、担当者が不在の場合でも別の人が対応できるようにしました。

この結果、お客さまをお待たせする時間がほとんど無くなり、1件当たりの対応時間が短縮され、以前より多くの受注や問合せ件数を処理できるようになりました。また顧客からは「対応が早くなったね」とのお褒めの言葉もいただくようになり、売上・利益の向上に繋げることができました。

●職場全体の活性化

整理整頓が進み、スッキリとした職場は気持ちが良いものです。
机の上の書類の山が無くなり職場全体が見通せます。だれがどんな顔で、何の仕事を進めているのか一目でわかるようになります。職場の風通しがよくなり、コミュニケーションも向上することでしょう。

また、整理整頓の改善活動を進める過程では、モノや情報、あるいは業務や書類の要否、優先順位を職場の全員でディスカッションすることで、業務プロセスの見直しや人材の育成にも繋げることができます。

このような期待効果を狙って「整理整頓」に取り組んでみてはいかがでしょうか。
中小企業診断士 中川 憲一郎

メールはkenichiro@c-nakagawa.comまで願います。


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