特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2011年7月環境変化に迅速対応可能な情報システム

●2011年7月環境変化に迅速対応可能な情報システム

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2011年 7月 「環境変化に迅速対応可能な情報システム」
中小企業診断士 鎌田浩一

メールはhiro3nin2@gmail.comまで願います。


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┏┏  はじめに


いうまでもなく、情報システムは経営の「道具」ですが、システムができることの範囲に経営が縛られてしまい、環境の変化に迅速に対応できず、機会の損失やリスクの増大を招いてしまう本末転倒な状況をしばしば目にします。

昨今、一定規模の事業規模になれば、顧客への対応力・提供サービス向上や企業内部の生産性向上のため、相応の情報システム化が行われているものと思います。多くの企業では、次から次へとシステム化業務の範囲が拡大し、さらに機能追加が重なって、システム内部の仕組みが複雑化して、よくいわれる「スパゲティ化」が起きているのではないでしょうか。

こうした企業では、市場環境の変化に対応するごとに増大し続けるシステム化の投資対効果(ROI)に対する不安が、常に頭を悩ませているものと思います。

今回は、こうした悩みを抱える企業のご担当者への朗報として、「経営環境変化に迅速対応可能な情報システム」の一つの例をご紹介します。

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┏┏  スパゲティ化の原因


一般的に情報システムは、投資金額も少なくないことから、「小さく生んで大きく育てる」という思想の基に開発が進行します。最優先の部分的な機能から開発を進め、数年をかけて段階的に機能追加を行っていく、という方法が大半です。

また、開発の進め方も、「ウォーターフォール型」と呼ばれる手法が一般的です。大まかには、企業側の業務を分析⇒システム要件定義として整理⇒システムの論理的な設計⇒具体的なプログラム設計⇒開発⇒検証⇒導入、という手順で進んでいきます。上から下へ滝のように流れるシステム開発手法というイメージから「ウォーターフォール型」と呼ばれていますが、こうした固定的な手順であるがゆえに、安定的な開発方法である一方、最初に決めたことが間違っていたとしても容易に後戻りができない、一度導入されてしまうと変更には大きな改修投資が必要となる、といった欠点もあります。

こうした欠点により、機能追加や機能修正が必要となった場合には、システムを抜本的に改修するという方法は取られず、不具合はそのままにしておいて、新機能をかぶせる、という手法がとられやすくなります。つまり、手術を行うことは大変困難なので、絆創膏を貼ったり、継ぎはぎをしたりする方法で拡張されていくわけです。こうして、プログラムは複雑化の一途を辿り、あたかもこんがらがった配線の様相を呈してきて、「スパゲティ」という、美味しそうですが、有難くないあだ名を付けられることになります。

こうなると、小さな追加・改修なら未だしも、市場環境や競争環境が変化してきて、例えば、顧客属性を追加しなくてはならない、であるなどのシステムの大元に関わる追加・改修が生じると、「改修コストが莫大にかかる」という理由で、数年間放置され、競合他社に遅れをとる、といった憂き目に遭うことになります。

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┏┏  ユニケージ開発手法


上記のような社内システムを持つ企業のシステム担当者の方は、恐らく漏れなく、"もっと安価に改修できるシステムはないものか・・・"、"そろそろマイグレーション(抜本的なシステム変更)が必要かなぁ・・・"といった悩みを常々お持ちなのではないでしょうか。

とはいえ、「脱ウォーターフォール」として、プロトタイピング開発、スパイラル開発、アジャイル開発などの話はよく耳にするものの、実際に自社システムをこういう方向にリードしてくれるIT会社は少ないのが実状です。開発手法として発展途上であり、扱えるベンダーが少ないことと、顧客企業には申し訳ないものの、今の状況のまま改修を繰り返してくれていた方が安定収益に繋がるからです。

そこで今回ご紹介するのが、「ユニケージ」という開発手法です。

ユニケージとは、ウォーターフォール的にガチガチのシステムを開発するのではなく、また特殊なプログラム言語を駆使して開発するのではありません。プロトタイプ的に「とりあえず簡単な仕組みを作ってみてから、改善を重ねていく」方法で、コンピュータに内臓されている機能(シェルスクリプト)をフルに活用してシステムを構築する方法です。

方法論自体は40年前からある「古〜い」ものなのですが、当時はコンピュータの処理能力がお粗末であったことから、システム開発手法としては日の目をみませんでした。しかしながら、コンピュータの物理的能力が日進月歩で進化した現在、「新たな救世主」の一つとして脚光を浴びるようになりました。

ユニケージは、あの「良品計画」さんや、「成城石井」さんを皮切りに、今や多くの企業で導入されており、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の「ソフトウェア・プロダクト・オブ・ザ・イヤー 2008」も受賞しました。

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┏┏  どんなことができるの?


紙面の都合上、手法の詳細は省きますが、大雑把にいえば、以下のような特長があります。

○開発がスピーディ(素早くシステムを開発し、検証と改善を繰り返す)
○比較的安価(低コスト)
○処理が早い(COBOLで数時間のバッチ処理⇒ユニケージで数十分になった例もある)
○プログラム構造が単純明快(スパゲティ化しない)
  ↓
 したがって、
◎経営環境変化に対して、迅速にシステム追加・修正対応が可能になる!!

ということなのです。

現状の情報システムについて、スパゲティ化によるお悩みをお持ちの方でしたら、検討してみる価値が十分にあります。業務効率を上げるばかりでなく、業務の柔軟な組み換えや、戦略的な情報活用を可能にし、経営改革実践の大きな武器になります。

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┏┏  ご興味をお持ちの方は


ユニケージによる開発については、USP研究所:(有)ユニバーサル・シェル・プログラミング研究所、が行っています。ご興味をお持ちの方は、以下URLからどうぞ。

http://www.usp-lab.com/opinion.html

中小企業診断士 鎌田浩一

メールはhiro3nin2@gmail.comまで願います。


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以 上

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