特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2011年4月東日本大地震などセーフティネット保証(5号)、信用保証協会と金融機関への対応!

●2011年4月東日本大地震などセーフティネット保証(5号)、信用保証協会と金融機関への対応!

■経営お役立ち情報  ビジネスヒント情報―――――――――――――――――――■

2011年 4月 中小企業・零細企業に必須
 「東日本大地震などによる影響をふまえたセーフティネット保証(5号)と
信用保証協会と金融機関への対応について!」 

中小企業診断士 沼田 邦男

メールはk-numata@amber.plala.or.jpまで願います。


■――――――――――――――――――――――― NPOみなと経営支援協会−■

08年9月のリーマンショックに始まった大不況への対応にご苦労されている多くの中小企業事業者様が、更にその傷あとが癒されぬうちに、今回の東日本大地震が発生し、ますます困っておられる中小企業事業者様が多いのが実情です。

このような最中、私の親しい大手都銀の融資担当者が言うには「中小企業、零細企業への融資は、基本的には、信用保証協会の利用を優先的に勧めている。・・・」とのことでした。
上記背景から、信用保証協会の必要性がますます高まっており、従って信用保証協会を良く知ることにより、資金繰り対策への一助とされては如何でしょうか?

今回は、そのようなことから、先般、都内の複数の箇所の信用保証協会のご担当者様から拝受した内容をも背景に以下取りまとめました。
皆様の経営力向上に向けた「安定的な資金調達力の獲得」(日常的な資金調達環境の向上に関する気づき)としてご参考頂ければ幸いです。

T.東日本大地震などによる影響をふまえたセーフティネット保証(5号)について

1.セーフティネット保証とは:

セーフティネット保証は、信用保険法第2条第4項の規定に基づき、経済産業大臣が指定する事由に該当していることを区市町村長が認定した場合に適用される保証です。
セーフティネット保証が適用され、信用保証協会の保証を利用する場合、一般保証と別枠で@無担保8,000万円(無担保無保証人1,250万円を含む。)、A有担保2億円の経営安定関連保証が受けられます。

セーフティネット保証の認定を受けるには、次の1〜8号の対象事由に該当することについて、法人又は個人事業者の所在地の区市町村長の認定を受けることが必要です。
その【セーフティネット保証の対象となる事由】については下記URLのとおりです。
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sefu_net_gaiyou.htm
2.セーフティネット保証(5号)について:

上述URLのとおり5号への対応となる事由は、「全国的に業況が悪化している業種に属する中小企業者等」ですが、更に中小企業庁(平成23年3月23日付け)HPによると下記のとおりとなっております。

(1)本年4月からのセーフティネット保証(5号)制度は、当初は昨年7〜9月期の業種毎の売上等のデータを基に48業種で実施する予定(本年1月28日付けプレスリリース資料参照。)でした。
(2)しかしながら、今般、未曾有の震災が発生し、計画停電も含めマクロ経済への影響が懸念される一方、業種判断のためのデータを取り直すことも困難となっています。
(3)こうした状況を踏まえ、景気対応緊急保証制度が終了する本年4月から、セーフティネット保証(5号)については、緊急避難的に、平成23年度上半期において、原則全業種である82業種で同制度を運用することとします。(対象業種及び制度概要については、それぞれ下記参考資料の別紙1及び別紙2参照下さい。)
○参考資料
・別紙1:セーフティネット保証の指定業種について[PDF]
•別紙2:セーフティネット保証(5号)の概要[PDF]

3.港区での対応について:

(1)港区中小企業融資あっせん制度について
上記については下記URLをクリックしご覧下さい。
http://www.minato-ala.net/guide/assen/assen01.html
  また、港区中小企業融資あっせん制度一覧については下記URLをクリック下さい。
http://www.minato-ala.net/guide/assen/assen02.html

(2)信用保険法(セーフティネット)5号認定申請について
中小企業信用保険法に基づく認定を受けると、保証協会の別枠の保証制度の申込みができます。
認定の申請は原則として、個人の場合は主たる事業所の所在地・法人の場合は本店登記 のある市区町村となります。
認定を受けることによりセーフティネット保証の対象となります。また、港区のあっせん融資 制度の「緊急支援融資」の対象となります。
さて、1号から8号まである信用保険法(セーフティネット)の中で、今回は本題のテーマでもある5号に絞り以下述べます。

●対象となる企業
(イ)指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の平均売上高が前年同期比マイナス5%以上の中小企業者。
(ロ)指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者。
(ハ)指定業種に属する事業を行っており、平成23年東北地方太平洋沖地震の発生後、最近1ヶ月間の売上高が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後、2ヶ月間を含む3ヶ月間の売上高が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれる中小企業者。
●対象となる制度名
 対象となる制度名については、経営一般融資、無担保・無保証人融資、区内産業活力増強融資、環境対策融資、資金状況改善融資そして緊急支援融資がありますが、詳細は、港区中小企業融資あっせんのご案内(平成23年度版:23年4月1日より適用)をご参照下さい。
以上※5号指定業種を確認の上、申請のこと。
※お申し込みは、港区役所3F産業振興課まで直接お越しください。
認定申請に必要な資料などを含めた詳細については下記URLをご参照下さい。
http://www.minato-ala.net/guide/assen/assen07.html#nintei

(3)緊急支援融資について
  
港区中小企業融資の中で5号認定対象融資は、上述の対象となる制度名のとおりですが、特に利用頻度の高い緊急支援融資の、そのあっせん金額、借受人負担率、資金使途、返済期間、保証人、担保、信用保証、取扱金融機関などの詳細については下記URLをご参照下さい。
http://www.minato-ala.net/guide/assen/kinkyu_shien.html
なお、対象条件については、下記のとおり上述の(ロ)は対象外になっております。.
ご注意ください。
第5号関係((イ)又は(ハ))の要件
以下のいずれかを満たしていること
(イ)申込み月の前々月を含む3ヶ月間の売上高が、前年同期に比べて5%以上減少していること
(ハ) 平成23年東北地方太平洋沖地震の発生後、最近1ヶ月間の売上高が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2ヶ月間を含む3ヶ月間の売上高が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること

U. 保証協会と金融機関への対応について

1.保証協会への対応について:

中小企業が資金調達を考える中で、絶対的に外せないのが「信用保証協会」の存在です。従って、保証協会の審査のポイントを知ることは重要ですが、その前に、(1)信用保証協会と(2)当該港区管轄の東京都信用保証協会について述べ、最後に(3)保証協会の審査のポイントを述べます。
いずれにしても、銀行から融資を受ける際は、信用保証協会の保証を付けることが一般的ですので、信用保証協会の事をしっかりと理解しておかなければなりません。

(1)信用保証協会について:

信用保証協会は信用保証協会法(昭和28年8月10日法律第196号)によって設立される
公益法人で、中小企業が市中金融機関から融資を受ける際に、その債務を保証することで、中小企業の資金繰りの円滑化を図ることを目的としています。都道府県や大都市を単位として、全国に52存在します。

2007年10月より『責任共有制度』が導入され、中小企業の資金調達環境は大きく変化が  起こりました。この制度の導入により、導入以前は、信用保証協会付きの融資であれば融資金額に対して100%を信用保証協会が保証をしていたものが、制度導入後、融資金額の80%を保証することとなり、残りの20%は銀行が直接リスクを負うこととなりました。

これにより、これまで信用保証協会の保証付きの融資であれば、銀行は、簡単に融資をしていたのを、20%のリスクを取らなければならない為、貸し倒れの起こらないように銀行は、中小企業への融資審査をより厳しくしています。

世界的な不況更に今回の東日本大震災を受け、中小企業における資金調達の環境が日々大きく変化していますので、中小企業の経営者は、この状況を理解して事業運営に取組む必要があります。

更に、中小企業とは切っても切れない存在である信用保証協会をしっかりと理解しておかなければ、金融情勢の不安定なこの時代に安定した経営を続けることは困難を極めるとも言っても過言ではありません。

(2)東京都信用保証協会とは

尚、港区の場合は、東京都信用保証協会の本店が管轄ですので、東京都信用保証協会についての理解も必要であり、その概要は次のとおりです。

当協会は、「信用保証協会法」に基づく公的機関として、中小企業者が金融機関より事業資金の融資を受けるとき、あるいは株式上場に向けた第一歩として私募債発により事業資金を調達するとき、保証人となって借入や発行を容易にし、企業の育成を金融の側面から支援します。

当協会では、国ならびに東京都等地方公共団体が行う中小企業金融施策をはじめと    して数々の信用保証制度により、中小企業の事業運営に必要な資金調達の円滑化に努   めています。

(3)東京信用保証協会の(保証)審査のポイント

以上信用保証協会の重要性を考えるに、当該管轄の東京都信用保証協会の(保証)審   査のポイントを知っておくことは有益です。従って以下ポイントを記します。
(1)基本的なポイント   ,
   保証審査にあたっては、特に次の4項目を確認します。
@保証資格            ・
ア中小企業者であること。
イ東京都内に事業所または事務所(個人の場合、住居でも可)を有し、事業を営んでいること。
ウ保証対象業種を営んでいること。
工 許認可事業については必要な許認可を取得していること
オ 事業が法令・公序良俗等に反しないこと。  等々
   A資金使途とその効果等
ア保証対象業種(事業)に係る事業性資金であること。
イ運転資金の場合その必要性と資金効果等、設備資金の場合その必要性と投資効果等
B返済能力
ア 事業による利益で返済可能であるか
    イ ア以外による返済資金の調達が可能であるか等

C経営者
ア 企業経営力…業界動向把握・事業概況把握・計数観念・従業員管理能力等
イ 経営意欲…研究・開発意欲、経営革新への取組み姿勢等
ウ 信頼性…経験・実績・責任感等
この他、金融取引状況等を総合的に検討して、保証の諾否・保証金額の決定を行っています。
(以上については、信用保証協会のホームページよりの抜粋及び要約です。)

2.金融機関への対応について:

2007年の上述の「責任共有制度」導入もあり、これまで信用保証協会の保証付きの融資であれば、銀行は、簡単に融資をしていたのを、20%のリスクを取らなければならない為、貸し倒れの起こらないように銀行は、中小企業への融資審査をより厳しくしています。

従って、金融機関との付き合い方は一層重要であり、以下その一端を述べます。

◎金融機関等との交渉及び上手に付合う法
. (金融機関や自治体等の)相手方が貴方を決める”のですから、“信用”をつけなければ、貴方の意図した想いは達成できない。従って以下の通り、“信用”をつけることを心がけることです。

(1)円滑に融資を得るために

会社の会計帳簿を商法・税法に則り適正性を高め、金融機関からの信頼を得ることが大切です。
銀行としては怖い金融監督庁の検査がありますから、おいそれと昔のようには貸したくても貸せません。ではどうするのか?
それには社長さん自身が事業への前向きなコンセプトを持ち、それを「利益計画」と「資金計画」に反映させ、銀行の担当者に説明できるようにならなければなりません。

その為にはまず、経営の基礎資料である会社の会計帳簿が商法・税法に則り、第三者の目から見て信用できるものにする必要があります。
それによりその決算書は、税務当局、金融機関からの高い評価と信頼を得ることができます。つまり、適切な税務申告書を作成することで金融機関との信頼関係を築き、融資や資金計画をより円滑に行うことができるのです。
そのための支援策の一つとして中小企業診断士の活用は如何でしょうか?

(2)金融機関と上手に付合う法

@貸手である金融機関の環境(割愛)
A借手が考えること
貸手である金融機関は、自らの厳しい環境を乗り越えるため産みの苦しみを味わいながら新たな生きる道を探っております。それは、借り手にも大きな変革を求めるようになることを意味しております。
そこで中小企業に求められるのは、事業の内容を常に明らかにしておく必要性が高まってくることです。貸手側は、事業内容をより透明にすることを迫ってくるからです。審査は、書面による審査がより重要性を持ってきております。

企業側は、金融機関と上手に付合うには次のことが必要となっています。
1勘(感覚)による経営では、金融機関を容易に説得できない。
経営内容を書面で行う方が、金融機関で審査が容易になり説得力を持つようになる。
2現在の状況を示した経理の状況を常に明らかにしておくこと。
3経営者は、計画的に事業を展開する必要性が高まってくる。
4求めに応じて実績、計画を提出できるようにしておくこと。

金融機関と上手に付合う方法は、特別なことを行うことではなく、原則的方法を着実に行うことです。 つまり、下記の「企業成長の法則」といわれる方法を行うことです。

(3)企業成長の法則

「企業成長の法則」とは、PLAN →DO→ CHECK→ ACTIONを地道に繰り返し行うことです。
つまり、計画(PLAN)を事前に設定し、実行(DO)を迅速に行い実績を算出し、計画(PLAN) と実績(DO)を比較分析をして改善案を策定し(CHECK)、改善案を実行する、つまり改革(ACTION)の努力をし続けることで、企業の成長を図るというものです。PLAN →DO→ CHECK → ACTION のサイクルは、最低毎月が望ましく日々(日々決算を)行っている企業もあります。

経営で大事なことは、自らが常日頃「企業成長の法則」を実践しておくことで、経営の基礎を着実に築くことです。 それには、金融機関からの資金的な支援は欠かせません。うまく付き合うことで企業の成長・発展が期待できるのです。金融機関との信頼関係を構築し企業の成長・発展を期待したいものです。

日ごろ、日々決算を心がけ、経営の現実の状況を把握しておき、革新を実行(ACTION) することで、金融機関にも対応することができます。

以上をも念頭におきつつ、安定的な資金調達力の獲得のための一助にご活用頂ければ幸いです。

中小企業診断士 沼田 邦男

メールはk-numata@amber.plala.or.jpまで願います。


■―――――――――――――――――-―― NPOみなと経営支援協会−201104―■

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