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2010年12月 【経営改善計画】って役に立ちますか?
中小企業診断士 吉村信行
メールはmusasiyn@s9.dion.ne.jp
まで願います。
■――――――――――――――――――――――― NPOみなと経営支援協会−■
1.金融庁が推進する【経営改善計画】って何?
出口の見えない不況も3年目を迎えて、来年には不況突入から3期目の決算も出ます。
従って、2期、3期連続赤字で債務超過に陥る企業も増えるものと思われます。連続赤字で債務超過に陥ったりすると金融機関での格付けが要注意先になる可能性が大きく、資金調達に支障が出ます。
また、頼みのセーフティネット保証も来年度は大きく後退しそうです。
そこで金融庁が推進する【経営改善計画】がクローズアップされます。
もともと経営計画は、経営改善計画や経営革新計画の意味合いをもつものですから、ことさら今になって何故とりあげるのかということですが、金融庁が中小企業金融円滑化法で推薦する【】付経営改善計画では、企業を救済するためのいくつかのしかけがあります。
その第一は、経営改善計画があると、融資の利用者にとって返済条件の変更(いわゆるリスケジュール)が容易になること。
第二は、経営改善計画の策定推進を金融機関が支援すること。
第三は、返済条件の変更だけで新規融資を断れないこと。などです。
更に金融機関にとっては、【経営改善計画】を推進している企業の債務は、いわゆるBIS規制(自己資本比率の達成規制)に関係する不良債権にカウントされないというメリットもあります(これは大きいです)。
2.【経営改善計画】策定を支援した結果
私は最近3カ月で8社の【経営改善計画】策定の支援を実施しました。
結論的に言うと、経営再建への効果は大きく、利用された企業の方も概ね結果に大変満足しておられます。
満足の内容は、再建への筋道が整理されて見えてきたということがかなり大きいようです。融資の実行は4社が実行済みあるいは実行時期確定、残りが交渉中です。
経営者が人の言うことに耳を貸さないとか、かなり高齢であるなどを除けば、大部分の企業にとって経営改善計画の策定は有効に思われます。たまに、経営改善計画はしばらくの延命措置にすぎないという方もおられるようですが、【経営改善計画】の作り方に問題はないのでしょうか。
3.【経営改善計画】策定・遂行成功のポイント
まず、財務諸表を拝見して、現在の問題点を洗い出し、解決の方向を仮定します。
次に、経営者のお話しを良くお聞ききして、コスト縮減の方法、商品・サービスの方向性を議論し、最後に改善計画を損益計算書の数字に置き換えて仮説の検証・さらなるアイデア出しを行い、方策が決まったら実施計画を策定します。大体3回の面談でこの作業ができます。
ポイントは、第一に支援する人間が課題の解決方法に通じていることです。中小企業診断士で、ある程度の経験があればOKでしょう。
第二に支援者が解決策の仮説を策定し、利用者の方と良く内容をすり合わせることです。特に利用者の企業の良い点を確認し、それを軸にどう商品・サービスを強化するかということが非常に重要になります。
最初に財務諸表を拝見した時には、再建可能かな?と思う時が多いのですが経営者の方のお話しをおうかがしている内に、必ず解決策が見えてきますので不思議なものです。
とんとんに持っていくレベルまではコストの削減で、借金を返せる利益を出すには、商品・サービスの特化や充実、そして拡販方策が重要となります。
4.対象は赤字企業が中心です
私が【経営改善計画】策定を支援した企業は、区に新たな融資斡旋を申請した企業で、そのままでは信用保証協会で否決になりそうだとか、大幅な減額になる可能性が高い企業です。従って、前述の数期連続赤字で債務超過というように要注意先など格づけが低い企業です。もちろん黒字企業でももっと経営体質を強化するには有効ですが、ニーズとしては赤字企業の方が格段と高いと言えます。
また、最初から返済条件の緩和に利用するというより、融資を有利に進めるために「経営改善計画」を利用している場合が大部分です。
来年度は信用保証協会の新規保証の範囲が狭まりそうで、本来の返済条件の変更で【経営改善計画】が使われることが多くなりそうです。
5.どうすれば策定支援がうけられますか?
NPOみなとの事務局に「経営改善計画策定支援」でお問い合わせ、お申し込みをしてください。中小企業診断士が貴社にお伺いして作成のお手伝いをします。ほとんどの場合に、無料の3回の面談で完成します。面談は基本的に経営者の方で1回あたり1時間〜2時間かかります。
VEでは問題の解決方法には13通りあるとも言われています。問題があまり深刻になる前に是非ご相談ください。
また、金融機関の方で「経営改善計画」策定の支援をしたいが時間が無いという方も是非、NPOみなとにご相談ください。
中小企業診断士 吉村信行
メールはmusasiyn@s9.dion.ne.jp
まで願います。
■―――――――――――――――――-―― NPOみなと経営支援協会−201012―■