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● 2010年98月 「お客様をファンするまでの7つの関門・マインドフロー」
中小企業診断士 渡邉 勲
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事業を継続し発展していくためには、新しいお客様にアプローチをし、自社あるいは自社の商品やサービスのファンになっていただく必要があります。しかしお客様は売り手側が思うようには近づいてきてはくれません。お客様がものを購入するあるいはサービスを利用するまでには、購買に至るまでの心境や心理状態の7つの関門があるといわれています。この関門のことをマインドフローといいます。今回は、このマインドフローをとりあげてみました。
●マインドフローとは
お客様の購買行動は、購買に対する心境や心理状態から以下の7つのプロセスを経るというので、マーケティングの面からとらえたものです。
@認知→A興味→B行動→C比較→D購買→E利用→F愛情
@認知
こういう会社、こういう商品やサービスがあるということを知ってもらうとです。
A興味
認知した会社、商品やサービスに興味を持ってもらうことです。
B行動
興味を持った会社、商品やサービスに対して行動を起こしてもらうことです。
C比較
類似品、競合品と比べてみてもらうことです。
D購買
買ってもらうことです。(Cで類似品・競合品と比べて優れていなくては買ってもらえません。)
E利用
使用・利用してもらうことです。
F愛情
使用・利用してもらって愛情を持ってもらうことです。そして気に入ってもらいファンになり、リピートしてもらうことです。
こうした7つの関門を順番に通過してくるのです。気に入らなければ途中で逃げて行ってしまいます。
もう少しわかりやすく説明しましょう。順番や内容の詳細は業種業態によって変わるでしょうが、大凡の流れは以下のようになるでしょう。
@会社や商品・サービス、ブランドを広告やHPなどで知る(認知)
↓
Aキャッチコピーや宣伝内容から商品やサービスに興味を持つ(興味)
↓
BHPを見る、店に行く、資料を請求するなどの行動をする(行動)
↓
C競合商品やサービス、類似商品やサービスと価格、性能、デザインなどを比較する(比較)
↓
Dお金を出して購買する(購買)
↓
Eマニュアルなどを見ながら使ってみる、説明を聞きながら食べてみるなどをする(使用)
↓
F使ってみて気に入ってリピート購入する、親しい人に口コミにする(愛情)
@〜Fのようなプロセスでお客様が動いてくるのです。
ここで注意すべきことは、お客様がどこか止まっていないか、止まっているのなら手を打たなくてはなりません。止まっているところでやるべきこと打つ手は全く違ってくるのです。
例えば、知らないのであれば(認知関門で止まっている)、広告をする
競合商品との比較している(比較関門)のであれば、競合優位を伝えます。
使ってもリピートしてくれないのであれば(愛情関門)、製品の改善をします。
こうしたことを知らないと、見当はずれの行動をとってしまいます。そうなると、人、モノ、カネの無駄遣いをしてしまうことになるのです。
十分に知られている製品なのに認知型のTVCMをする、というのはかなりのムダです。
マインドフローでは、ボトルネックとなっているポイントを集中して改善すれば、効果がでるのです。こうしたことも学び、お客様がどこでひっかかっているのか、7つの関門をチェックする必要があります。こうしたチェックリストを作り、チェックしてみましょう。
(注)マインドフローは、佐藤義典様(マーケティング・コンサルタント)が唱えたものです。
また、マインドフローに類似したものに、以下の2つがありますので、参考までに簡単に紹介しておきます。
●AISAS理論
マーケティングにおける消費行動のプロセスに関する仮説のひとつで、消費者の購買にまつわる「注意」「興味」「検索」「購買」「情報共有」のプロセスから成り立つとする理論のことです。特にeコマースのマーケティングモデルといわれており、従来主流であった「AIDMA理論」に代わって主流と成りつつあります。
「AISAS」とは、消費者の各行動の英語の頭文字です。
「Attention」(注意が喚起され)
「Interest」(興味が生まれ)
「Search」(検索し)
「Action」(購買し)
「Share」(情報を共有する)
AISAS理論には、購買に際して吟味したり考量したりするための「記憶」の機会が少なく、代わって「検索」と「情報共有」とが購入決定の要因として重要視されており、eコマースに特徴的なプロセスが反映されています。なお、「AISAS」の語は株式会社電通の登録商標です。
●AIDMA理論
マーケティングにおける消費行動のプロセスに関する仮説のひとつで、消費者の購買にまつわるプロセスを「注意」、「関心」、「欲求」、「記憶」、「行動」とするものです。
「AIDMA」とは、個の行動を示す英語の頭文字です。
「Attention」(注意)
「Interest」(関心)
「Desire」(欲求)
「Memory」(記憶)
「Action」(行動)
ビジネスを成功に導くには、自社あるいは自社の商品やサービスのファンとなるお客様を多く持つことが必要です。ファンとなったお客様は、リピート購買してくれる、お客様を紹介してくれる、など、大変ありがたい存在となるのです。
お客様を自社あるいは商品やサービスのファンになっていただくよう知恵を絞り創意工夫をしましょう。
中小企業診断士 渡邉 勲
メールはwatanabe-bsl@nifty.comまで願います。
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