特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


●2010年 8月「港区ベイエリアのにぎわい創出」

●2010年 8月「港区ベイエリアのにぎわい創出」

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「 港区の豊富な観光資源とベイエリアの活性化 」
〜 港区特有の観光資源を活かしたにぎわい創出 〜

中小企業診断士 柴原 廣次           

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1.港区の立地特性

港区は、都市型観光資源が都内23区の中でも飛びぬけて多い地域といえます。赤坂や青山、六本木、東京タワー、各国大使館、増上寺と地域ブランドとなっている繁華街、グローバルなイメージをもたらす各国大使館、著名な歴史建造物など、いくらでもあげることが可能です。また、年間を通して様々なイベントが充実し、集客力の向上が図られています。港区のベイエリアに一番人が集まるのは何といっても、夏の花火大会ではないでしょうか。

2.東京湾花火大会の集客力

恒例の、第23回東京湾大華火祭が、8月14日開催され、主催者である中央区・東京湾大華火祭実行委員会、後援者としての東京都、中央区観光協会、中央区商店街連合会、中央区工業団体連合会、東京商工会議所中央支部、さらに公益財団法人港区スポーツふれあい文化健康財団等の協力により、約12,000発の花火がうちあげられました。

この花火大会は、中央区の主催するビッグイベントですが、港区内に竹芝ふ頭や日の出桟橋、お台場海浜公園、レインボーブリッジなど絶好の花火見物のスポットが多くあり、この花火大会のにぎわい創出効果は絶大です。



海上から、直近で花火を見るために出ている船の数の多さにも驚きます。屋形舟やクルーザー、かなり大きな客船も、眺めの良い場所に錨をおろしています。8月19日に行われた神宮外苑花火大会も約12,000発の規模で18万人が見物に集まったということですから、見物スポットの多さから比較しても、港区のウオーターフロントには、さらに多くの観客が集まったのではないでしょうか。

3.港区のベイエリアの現状

港区の湾岸部は、お隣の品川ふ頭と並んで、東京港の大きな一翼を担っています。竹芝ふ頭の客船ターミナルからは、東海汽船の伊豆七島航路が発着していますし、日の出桟橋、芝浦ふ頭は、内航貨物船が常時発着しています。日の出桟橋からは、お台場行の海上バスが発着、客船シンフォニーの乗り場もあります。最近は、はとバスで来た外国人観光客が日の出桟橋から海上バスに乗りお台場を観光するケースも増えています。

花火大会は夏場の一大イベントとしてその集客力は絶大と思われますが、年間を通じたにぎわいの維持ということになると、また、別の視点から考える必要があるかもしれません。ベイエリアのにぎわい創出ということに限れば、やはり東京湾、海事への関心が高くないと一般の皆様の足がこちらに向いてくれないのではないでしょうか。

4.世界のクルーズ人口


世界のクルーズ人口の調査(Douglas Ward:Complete Guide to Cruising & Cruise Ships 2009)による、2007年の数字では、アメリカ・カナダの年間クルーズ人口は、1,165万人、それが日本では、たったの18万人。そこで日本人は海が苦手なのではという疑問も生じます。ただ、アメリカのクルーズビジネスのドル箱は、カリブ海クルーズです。ここは、ハリケーンのないときは、1年を通して熱帯の静かな平水域です。10万トンから20万トン級の巨大豪華客船が、意外に格安の料金で、マイアミから定期航路を組んでいます。

日本近海は、東京湾を一歩出ると海流や季節風、台風などの影響で波が荒いことが多いようです。船は揺れ、船酔いする人が多くなる。そんなことから海や船に関心を持つ人が少ないのかも知れません。

5.海のにぎわいの創出

海やベイエリアに親しんでもらうにはどうするか。現在、神奈川県の「21世紀の船出プロジェクト」が、新たな観光ルートの開拓に向けて、東京湾特別周遊クルーズを行っています。「海ほたる周遊クルーズ」や「工場夜景を見る産業観光ツアー」、「大型客船による、東京湾エンターテインメントクルージング」など格安で体験できる機会を提供しています。また、民間の大型クルーズ船(シンフォニー、ヴァンテアン、レディクリスタルなど)が定期的に東京湾クルーズを運行しています。

6.港区特有の海のにぎわい創出

港区のベイエリアは、都内の他区にはない観光資源が豊富です。レインボーブリッジやお台場海浜公園、竹芝ふ頭、日の出桟橋など。さらに、芝浦運河などの区内の運河は両岸が整備され、親水性の高い地域となっています。伊豆7島へ向かう島観光の拠点となっていますし、内航貨物の発着地としても東京港の重要な一部です。東京湾岸の産業観光の拠点としても素晴らしい立地です。

東京湾で、小型艇によるクルーズ事業を運営されている港区内事業者の方にお聞きしたところでは、チャータークルーズ、水上ウエディングなど、営業努力によりお客様のクルーズ事業への関心は高くなってきているが、小型艇の係留場所やお客様の乗下船場所の確保に困難を感じるとのことでした。

7.ハーバーシティとしての港区のイメージ確立

日本のヨットやモーターボートの個人、法人の所有数は、2007年度で約25万隻(社団法人 日本舟艇工業会)となっています。アメリカの保有数は、約1,600万隻ですから、格段の差があります。

今後、日本の舟艇数の保有増加を期待するには、環境整備が重要な課題です。港区内の運河は、係留場所としては、非常に良い条件を備えています。もちろん安全確保の問題等、一般開放は困難が伴うとは思いますが、港区のベイエリアにヨット、モーターボートが多く集積する風景は、港区のハーバーシティとしてのイメージ定着に、ぜひ必要だと思います。

港区が文字通り港をもつ区としてのイメージが定着し、ベイエリアと区内各地域商業施設、商店街等の連携が活性化すれば、港区の観光産業の幅が拡大され、港区全体の集客力の向上を期待することが可能となります。

中小企業診断士 柴原 廣次

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