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「 中小企業IT化の助け舟 「J-SaaS」を活用しよう! 」
中小企業診断士 鎌田浩一
hiro3nin2@gmail.com
■――――――――――――――――――― NPOみなと経営支援協会−■
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┏┏ 1.はじめに
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今ほど中小企業の経営革新が求められている時はありません。昨年来のリーマンショック余波による売上急減を体験し、多くの中小企業において、これまでの経営管理の脆弱性が露呈しました。
これら中小企業の経営者の皆さまの中には、今般の猛省に立ち、経営革新の実践に向けた一つの方向性である「IT経営」の必要性を感じている方々も少なくありません。
そこで、そのような中小企業のIT経営革新への第一歩をサポートすべく、経済産業省が提供を開始している「J-SaaS」の最新情報をお届けします。経営革新へのきっかけの一つとして参考となれば幸いです。
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┏┏ 2.「J-SaaS」とは?
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「J-SaaS」とは、経済産業省が2009年3月31日にサービスの提供を開始した、主に中小企業を対象とした便利なワンストップサービス(SaaS活用型サービス)です。
経理事務や販売管理、財務会計などのバックオフィス業務〜電子申告までを一貫して行えるサービスにより、経営者の皆さまの悩みを解決すると同時に、これまでITを活用するために中小企業が抱えていた課題も併せて解消しようという狙いをもってスタートしました。
「ビジネスチャンスを拡大し、売上向上を図る」「定型的な業務を効率化し、コスト削減をめざす」「社員間での情報共有で風通しをよくする」など、経営革新を実践して経営管理の脆弱性をなくし、不況期にもめげない体力の増強を図りたい!と願う中小企業の皆さまを応援するサービスです。
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┏┏ 3.「J-SaaS」の特長
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「J-SaaS」には、“買うから借りる時代”にふさわしい、下記の特長があります。
☆少ない初期投資!
⇒専用のソフトウェアの購入が不要で初期費用が軽減できる。
☆利用できるソフトウェアが充実!
⇒会計、経営分析などJ-SaaS上で多彩なサービスが利用可能。
☆仕事の効率が上がる。24時間使える!
⇒出先からでも機動的に使えるのがSaaSのメリット。
☆セキュリティ対策万全。システム管理の心配不要!
⇒アプリケーションごとに対応窓口が設置されている。
☆充実した導入サポート!
⇒導入するためのサポート体制が用意されている。
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┏┏ 4.こんな方々にオススメです
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ズバリ、「経営効率化への悩み」はあるけれど、「IT活用の不安」があるためにナカナカ重い腰を上げられない・・・、という経営者の皆さまにオススメです。
皆さまご承知のとおり、例えば、次のような迷いが、多くの中小企業経営者の皆さまのIT経営への道を閉ざしています。
?ITスキルを持つ社員がいないが大丈夫だろうか?
?税理士にまかせっきりで会計知識に自信がないが利用できるだろうか?
?なんと言っても先立つものがない。ソフトやハードへの初期投資はどれくらいかかるのだろうか?
?ネット越しのサービスなんて心配だ。他社にデータ管理を任せてセキュリティ確保はできるのだろうか?
そんな経営者の皆さまの悩みや不安を解消し、IT経営への第一歩を踏み出す勇気をくれるのが「J-SaaS」なのです。
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┏┏ 5.提供されているサービスの最新情報
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「J-SaaS」での提供サービスは、具体的には、経済産業省が契約したソフト会社が各社の製品をJ-SaaS向け仕様にアレンジしたものです。したがって、よく耳にする「勘定奉行」などのソフトが提供されています。
「J-SaaS」の立ち上げ以降、利便向上を目指して利用できるソフトが続々と増えており、2009年10月現在で下記の32ソフトが利用可能となっています。
☆経理処理ソフト(2)
☆給与計算ソフト(4)
☆税務申告ソフト(2)
☆財務会計ソフト(8)
☆インターネットバンキングソフト(2)
☆グループウェアソフト(3)
☆プロジェクト管理ソフト(2)
☆社会保険手続きソフト(2)
☆販売管理ソフト(2)
☆顧客商談管理ソフト(1)
☆仕入・在庫管理ソフト(1)
☆経営分析ソフト(1)
☆セキュリティ対策ソフト(2)
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┏┏ 6.活用法のヒント
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実をいうと、個人的には「J-SaaS」という言葉が好きではありません(^^)。元々ASPと呼ばれていたサービスが、Googleの出現と台頭によるクラウドコンピューティングという新たな波を受けて、SaaSに名称変更しただけというのが実状ですし、そもそも中小企業経営者の皆さまに利用していただこうとするサービスの名称がカタカナや英文字という時点で、マーケティングを外しているな・・・(^^ゞ、と思わざるを得ません。
甚だ私見ながら、例えば次のような愛称を用いるとよいのでは?と感じているところです。
・ 「中小企業の経営力向上サポートサービス」
・ 「商売繁盛」
・ 「千客万来」
・ 「経営の羅針盤」
・ 「ザ・経営力」
・ 「ザ・経営革新」
また、現時点の「J-SaaS」は未だ発展途上であり、継続性と蓄積性が命である企業情報を長期に亘って預けきるにはリスクがないともいえません。
例えば、初期投資が不要とはいえ、運用コストと効果に対する経営者の不安が普及を妨げる可能性があります。中小企業支援事業予算からの捻出にて半年間程度無料化し、継続利用の場合は費用収受とするなどの施策が必要かも知れません。
また、経済産業省と各ソフト会社との個別契約で構築されているために、企業会計ソフト⇒税務申告等のデータ連携はできるものの、顧客管理/販売管理/従業員管理/給与管理/会計管理/財務管理/税務管理のすべての経営機能が一連のシステムとしてデータ連携されるには至っておらず、本格活用しようと考えるとムダ・ムラ・ムリが生じて使いにくいシステムかも知れません。
しかしながら、多くの中小企業が脆弱な経営管理を行っていることも事実であり、ITを導入して革新を図りたくとも、“予算が無い”、“暇が無い”、“人がいない”、“よくわからない”といった理由で、重い腰をあげられないのが実態でしょう。“何かソフトを・・・”といって量販店に足を向けたとしても、一体どれを選んだらよいのかもわからないというのが現実だと思います。
そのような多くの中小企業にとって、経済産業省が折角構築しつつある当サービスを、うまく活用しない手はありません。
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┏┏ 7.早速トライ!
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未だ完全でない面はありますが、中小企業がトライしてみるだけのメリットは確実にありそうです。例えば、
☆利用するソフトによって無料期間がある(最大12ヶ月)!
☆解約も容易!
☆セミナーや説明会が用意されている!
☆J-SaaS操作指導員や中小企業診断士がサポートしてくれる!
これらのメリットを活用して、「とにかく重い腰を上げてみる」というのが当コラムでの提案です。具体的には、
@J-SaaS操作指導員や中小企業診断士のアドバイスのもと、
Aセミナーや説明会に参加して、
Bとりあえず「無料の会員登録」を行い、
C「無料試行期間」を使って、J-SaaS操作指導員にレクチャーしてもらい、
D「IT経営」とはどんなものかを体感する。
というアプローチのトライです。
中小企業が、「IT経営革新」へ向けて「まず一歩を踏み出す」という目的を叶えるためのツールとして、「J-SaaS」を積極的に活用したいものです。
【J-SaaSホームページ】:
■【J-SaaSホームページ】へリンクへ:
中小企業診断士 鎌田 浩一
J-SaaS操作指導員
hiro3nin2@gmail.com