●2009年11月事業主の皆さん、社会保険に目をむけていますか
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「 事業主の皆さん、社会保険に目をむけていますか 」
中小企業診断士 武居弘泰
h.takei@toyoweb.com
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この3〜4年に年金問題は、国民的課題として取り上げられ、解決に時間をかけています。さりながら、国民年金では保険料を滞納している方々が40%弱いらっしゃいます。つまり納入率は62%ということなのです。これはいかがなことか、お考えになったことがありますか。
さて、事業主であるあなたは
「一人でも雇用すれば、労働保険の加入が義務付けられている」にもかかわらず、理由はともあれ、労働保険、すなわち労災保険と雇用保険に加入していない事業主がかなりな比率で存在するのです。
「あの人はパートだから、この人はバイトだから、その人は臨時だから。は、まったく関係ありません。」
健康で働き続けることができ、定年などで職を離れたときに安定した生活を送りたいということは、労働者にとって切実な願いです。ところが私たちの生活には至るところに危険が存在しているのです。
病気やけがをしたとき(疾病)、障害を持ったとき(障害)、お産のとき(出産)、退職したとき(失業)、老齢のとき(老齢)、死亡のとき(死亡)、労働災害、職業病などを社会的な事故と考え、生活に困窮をきたさないようにするのです。
この社会的な制度を、国民・労働者、事業主、国の三者が保険料をあらかじめ拠出した資金を財源として保険事故に出会った人に、現金ないし現物を給付することなのです。最近の公共交通機関も事故が絶えません、通勤災害も多く労災の認定を受けます。
狭義の社会保険とは健康保険と厚生年金保険を言いますが、広義では労働保険と社会保険を総称して社会保険と称します。
上記のように一時的に労働不能のとき、永続、永久的な労働不能のときなど業務上、業務外でも事故は避けられません。社会保険は会社や商店など事業所を適用単位としています。ですから、加入するのは事業主なのです。
保険は、保険者・保険加入者・被保険者の三者の関係によって構成される権利義務関係になっています。保険料は労災保険を除き、労使が折半して負担することとなっています。
まずは、強制保険ですから、個人事業主から労働者を雇う法人になって会社経営をする上では、労働者のために加入しなければなりません。人を採用する際にも必要な要件ですし、一流企業を目指す人の心構えに反します。
2008年から本年にかけて、特に中小企業、小規模企業、創業者などの経営は著しく悪化傾向にあります。東京都では税負担者が30%、税金を払うに至らない企業が70%もいますが、さらに増加傾向にあります。とすれば、社会保険料も滞納する企業も多く出てきますが、加入していれば救いの道もあります。
「社員は補償されるが、事業主は補償がない」と思われている事業主にも、方策があります。それは「労働保険事務組合」制度があり、その事務組合を通じて加入すれば事業主も加入できる仕組みが存在していますから、ご安心下さい。
(2009年11月)
中小企業診断士 武居弘泰
h.takei@toyoweb.com