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「 成功する営業活動の進め方 」
中小企業診断士 栗田 剛志
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1.営業活動のプロセスとポイント
「成功する営業活動の進め方」として、営業活動を行う上でのプロセスについて順を追って具体的に説明していきます。
営業活動におけるステップごとの重要な役割や、次へのステップの進め方を把握することで、営業活動自体の精度を高めることができるようになります。
営業活動のプロセスとポイント
2.アポイントを取る
「アポイントを取る」とは、営業という仕事の入口のことです。すべての営業活動は、ここから始まります。
アポイントを取る際に、注意しなければならないのは、「会う約束を取り付けること」が目的であると認識することです。アポイントをとる電話の中で、商品説明に入ってはいけません。そこでお客様に「NO」と言われてしまったら、それっきり前に進めなくなってしまうからです。
「詳しい話はお会いした際にご説明します」という旨を伝え、お客様を目の前にして話ができる機会を作ることに注力します。
3.初回訪問をする
(1)お客様について調べる
アポイントを取ってお客様のところへ初めて訪問をします。訪問前に必ずやっておきたいことは、できる限りお客様について調べることです。
今は、インターネットを駆使すれば大抵のことは調べられます。業種・業態、商品、取引先、競合、業界の動向、売上、従業員数などは必ず調べていきます。
限られた商談時間を有効なものにするには、相手から聞かなければわからないことへの質問と、それについての解答をもらうことに使うべきです。
(2)面談に臨む
お客様との面談に臨む際には、商品の売り込みにばかり走ってはいけません。
そもそも営業の仕事とは何でしょうか。それは商品を売ることではなく、お客様の問題を解決することです。商品を説明することではありません。
お客様の問題を解決するには、お客様の問題を聞き出すことが必要です。事前に調査をしたことから、お客様が抱えていると思われる問題の仮説を立て、その仮説をもとに質問をし、相手に話をさせることで本質に迫っていきます。
そして、お客様の問題を把握した上でそれらの解決策をこちらから提案するのです。その提案は、初回訪問では行いません。お客様の現状や課題を聞けるだけ聞いて、「今日お聞きしたお話を踏まえてお客様の問題を解決するためのご提案を次回お持ちしたいと思います」と言い、次のアポイントを取るのです。
(3)次のアポイントを取る
必ずその場で次のアポイントをとってください。悩みや課題を話したお客様はどんな提案をしてくれるのかと期待をしています。時間が空けてしまうとその期待もしぼんでしまい、次のアポイントが取りにくくなってしまいます。
繰り返します。次のアポイントは、その場で必ず取ってください。これは非常に重要
なことです。
そして社に帰ったら必ずサマリーメールを送ります。サマリーメールとは、その日の商談内容を簡潔にまとめたものです。時間を割いてもらったお礼を含めた内容で送ります。
4.提案をする
(1)提案書とは
初回訪問で聞き出したお客様の問題を自社の取り扱う商品を使って解決することを提案します。
この提案書は、相手が意思決定者であれば商談の内容の確認書となります。提案をした相手が意思決定者でなければ、その人が社内で説明をするための書類となります。つまり、担当者が社内で説明しやすいような内容になっていないといけません。
(2)確認すべきこと
商談の中で確認すべきことは漏れることなく確認します。
主な確認事項として
@ 決裁者は誰か
A 決裁予定日はいつか
B 決裁方法はどのような流れか
C 予算はいくらか
D 競合はいるのか
E 決裁のポイントは何か
F 当社が受注できる確率はどのくらいか
などが挙げられます。
特に、@、A、B、Cは重要です。これらの情報を把握できていないのは、お客様が言わなかったではなく、営業担当者が聞かなかったのが悪いのです。必ずこれ
らを確認します。
(3)反論から逃げない
お客様からの反論は、必ず処理をして帰ります。たいていの場合、お客様はダメな理由を並べ立ててきます。あらかじめ予想できるものであれば、応酬話法を考えておくべきです。予想外の反論でも、こちらがどれだけ相手のことを考えて提案しているかはきっちりと相手に伝えてから帰るべきでしょう。相手の反論から逃げてはいけません。
5.クロージングをする
クロージングとは、相手を強引に説得することではありません。クロージングのテクニックはいろいろとありますが、本当の意味でのクロージングとは、相手の不安を取り除くことであると考えます。
なにかの購入に踏み切るとき、誰でも不安や迷いが生じるのは当然のことです。ましてや高額の商品やサービスとなれば決断に躊躇することはよくあることです。ここでいうクロージングとは、この不安や迷いを取り除き、購入するという意思決定の背中をポンと押してあげることを言います。
「懸念される点はありますか」と聞くことで相手が不安に思っていることを聞き出し、それを払拭してあげるのです。
押し付けるのではなく本当の意味で受け入れてもらえるように、お客様に配慮します。納得して決めてもらうことこそが本当のクロージングと呼べるのです。
以上
中小企業診断士 栗田 剛志
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