●2009年6月:経営革新計画申請書:作成手順とポイント
■平成21年5月度 経営お役立ち情報 ビジネスヒント情報――――■
「経営革新計画申請書:作成手順とポイント」
中小企業診断士 安藤 一彦
■―――――――――――――――――NPOみなと経営支援協会■
1.まえがき
経営革新計画申請書は、別表1、別表1−2、別表2、別表3と根拠資料、及び別表4〜7で構成されています。これを順番に書いていくと、途中で何回も手戻りが発生します。以下に、手戻りが少ない検討・作成手順および作成ポイントを述べますので、参考にしてください。
2.作成手順および作成ポイント
1)まず、自社が考えている新事業が既存事業と比較して、新たな取組みのどれに該当するのかを検討します。
その新たな取組みを経営革新計画書に明確に記載する必要があります。
新たな取組みとは、
@新商品の開発又は生産、
A新役務の開発又は提供、
B商品の新たな生産又は販売方式の導入、
C役務の新たな提供の方式の導入、その他の新たな事業活動
の4種類に分類されています。
2)「別表2 実施計画」では、経営革新で実施する項目をステップ毎に書きます。
例えば、企画→開発→販売又は企画→開発→生産→販売又は企画→仕入れ→販売などのように書きます。
更に、各ステップともに一段ブレークダウンし、2〜4項目に詳細化します。
1.○○企画
1−1市場調査
1−2事業化計画
2.○○開発
2−1概要仕様
2−2開発
2−3テスト
3.○○販売
・
3)「別表1−2 革新計画の具体的内容」の「どのように実施するか」では、上記2)項のステップと同じ順番で書きます。
別表1−2の全体構成例と上記の一例を示すと、以下のようになります。
T.当社の現状
U.きっかけと経緯
V.何を実施するか
W.どのように実施するか
1.○○企画
1−1市場調査
1−2事業化計画
2.○○開発
2−1概要仕様
2−2開発
2−3テスト
3.○○販売
X.結果はどのようになるか
4)「別表3 経営計画及び資金計画」の「根拠資料」では、売上高、売上原価、一般管理費及び営業利益等について、既存事業と新規事業分を分けて記載することが求められています。更に、新規事業分の算出根拠等の記載も求められています。
5)「別表1 経営革新計画」では、以上の項目をまとめた形で、経営革新計画の全体像/ポイントを書きます。
6)最後に、「別表4〜7」を書きます。
7)その他のポイント
@「別表1−2 革新計画の具体的内容」、「別表3 経営計画及び資金計画」及び「根拠資料」を検討するには、多くの時間がかかります。
A金融機関には、事前に相談しておき、ある程度の了解を得ておくことが望ましいようです。その際、別表6に金融機関名・支店名を記載しておきます。
B過去の決算が2〜3期連続で赤字の場合や債務超過の企業が政府系金融機関借入を多く記載した場合、なかなか窓口で受理していただけないようなケースがあるようです。
3.あとがき
自社のみで、経営革新計画申請書の作成が困難な場合、(財)東京都中小企業振興公社の窓口相談または有料の専門家派遣事業等を活用することをお勧めします。
以上