<中小企業白書より キーパーソンを育てよう>
会社にキーパーソンとなる社員は何人いますか。
H19年度の中小企業白書では、
企業の発展に欠かせないキーパーソンについての調査結果が載っています。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/index.html
キーパーソンとは、コアとなる業務を担い、
他では代替えのきかない人物を指します。
50人以下の企業で平均2名、50名以上では3〜5名といるとされています。
「いない」と回答した企業も2割ほどありました。
業務タイプ(能力)としては、(重要度−充足度)
○経理・財務・人事をとりまとめられる人材(41−61)
○情報システムや経理の専門人材(32−50)
○現場の専門人材(40−50)
→これらの人材は充足度が高いようです。
□事業部門全体を束ねられる人材(67−50)
□社長の右腕としての相談相手(61−57)
→この人材はやや不足感があります。
▽新しい顧客を開拓しマーケットを拡大できる人材(54−25)
→このような人材は大きく不足しています。
経営者からは「キーパーソンが、求める能力を満たしていない」と答える方も多くいます。
特に「創造力」や「課題発見力」といったイノベーションに繋がる能力については、
自ら開拓してきた創業者から見ると、物足りなさを感じているようです。
この3番目のタイプ(▽)が不足していることと関連していると思いますが、
創業者から見て充分なイノベーション能力がある人材は、
勤続せず、自分で独立・創業する事が多いのではないでしょうか。
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キーパーソンの育成や確保と業況感の関係を見ますと、
積極的に行っている企業は業況感が良く、
特に取り組んでいない企業ほど良くない傾向が出ています。
社長一人で企業を発展拡大していくには限界があります。
個人の限界以上に発展させるには、
キーパーソンの存在が重要であることを示しています。
しかし、キーパーソンが、優秀であるがため「社外流出してしまう危険」や、
「人数が足りない」と感じている経営者が多いのも現状です。
キーパーソンが継続勤務する要因はなんでしょうか
○仕事の内容にやりがいや楽しみを感じている。(46%)
○自分の専門性や知識・ノウハウが十分に任せられる組織(40%)
と感じています。
また、キーパーソン候補者では、
○学びの機会が与えられ、成長できる事が明確(28%)
との期待もあります。
しかしながら企業側では、
計画的なOJT(16%)、自己啓発の支援(10%)、ジョブローテーション(4%)と、
キーパーソンの育成や確保のためのシステムが確立できていない現状です。
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社員をやる気にさせるのは、権限委譲と成長感を与える事です。
給与面で言うと、給与の高低よりも「納得感のある待遇」が重要です。
特にキーパーソンには権限委譲を与えて社外流出とを防止し、
更なる自己啓発を引き出すことがポイントであると思います。
更に、学びの機会を与え、次のキーパーソンを育てる事も必要です。
売上の増進だけに目を向けるのではなく、
将来的に拡大できる基盤を作ることが、
結果として、継続的に業績の良い会社になることでしょう。
キーパーソンを多く育て、継続して勤務してもらえる様にし向ける事で、
社長自らは新しい顧客の開拓に邁進できる環境に繋がります。
NPOみなと経営支援では、人事制度や研修のエキスパートも揃えております。
是非ご相談下さい。
NPOみなと経営支援 松 崎 邦 彦
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