特定非営利法人東京都港区中小企業経営支援協会NPOみなと経営支援


「ホウ・レン・ソウ」を有効にするには

「ホウ・レン・ソウ」を有効にするには

報告(ホウ)・連絡(レン)・相談(ソウ)と言う言葉があります。
朝礼や研修でよく使われるこの言葉は、
下から上の一方通行のホウレンソウが求められるのが常。
でも、このような職場は危ういらしい。

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時は、1978年。米国、オレゴン州上空。
機長であるマクブルーム氏は、着陸装置の故障に気がつく。
そこで、彼は、着陸待機用のコースを旋回しながら装置を点検しはじめた。
そして、その調整に没頭する。
しかし、燃料には限りがある。どんどんゼロへと近づいていく。
そのことに機長は気がつかない。
気がついているのは、副操縦士たち。
ところが、このことを機長に報告しない。
墜落という大事故が近づいているのに言わない。
結果、飛行機は墜落し、10人が死亡するという大惨事となった。

信じられませが、実話です。
この事故のことは、今日でもパイロットの安全訓練のなかで
教訓として語りつがれているそうです。

では、なぜ副操縦士が、報告できなかったのか?
墜落する事より、激しい気性の持ち主であった上司の方が恐かったのです。
機長は、普段から同僚たちがびくびくするような態度を取っていました。
だから、なんと副操縦士は、彼を激怒させるのが恐ろしくて、
そのことが言えなかったのです。

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創業者の社長には、前に進めていく資質とパワー、
そして絶対的な権力があります。
そのパワーが過ぎ、部下への叱咤と意見の無視ばかりだと、
『報・連・相が大事だっていつもいってるだろ!』と言っても、
周りの人はなかなか社長に意見を言えないものです。
まして悪い事の報告など、引き伸ばしても状況は悪化するだけと判っていても、
出来れば隠したいのが人情でしょう。

前述の飛行機のような状況になっていないでしょうか?
「はだかの王様」という童話を、笑えない状況になっているかも知れません。

そもそもこの「報・連・相」という言葉は誰が作ったのでしょうか?
この言葉は、旧山種証券社長 山崎富治氏が20年以上前に考案した言葉で、
報告は縦、連絡は横、相談は集団のコミュニケーションを指す。
本来は風通しの良い組織づくりの大切さを説いたはずの言葉だったそうです。

上の者こそが範を示して「部下へのホウレンソウ」を積極的に行い、
普段から不断の努力で「モノが言える環境作り」が必要です。
社員のやる気がなく、自分の意見を持たない応用力の乏しい社員は、
上に立つ者が、全て自分で決定・行動しようとしている結果、
そのように育てている場合が多い様です。

では、部下からの報告が上がってくるようにするには・・・
部下から相談されたら『えんかい(援助と解説)』で応えたい。
『せつめいかい(説教、命令、介入)』を受けた部下は二度と相談に来ないそうです。
どうかご注意を

出典:日本経済新聞の朝刊コラム「春秋」
   『EQ−こころの知能指数』講談社 ダニエル・ゴールマン 

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